団体印の作成(任意団体)
口座開設・契約・領収書運用の信頼性と継続性のため、**団体名義の印鑑(団体印)**を整備します。
ここでは 何を作るか/どう作るか/どう管理するか を実務目線でまとめました。
任意団体は支店・店舗ごとの裁量差が大きい分野です。用途(銀行届出に使う/書類のみ等)を先に決めてから発注・確認しましょう。
🔧 まず決めること(最小セット)
以下の3点を決めると迷いません。
- 用途
- 銀行届出(口座開設・届出印)
- 書類・領収書・請求書(社判)
- 住所押印(回覧・郵送物)
- 本数(おすすめ)
- 角印(社判):1本(書類用)
- 丸印(銀行印):1本(銀行届出に使う場合)
- 住所印(ゴム印):1本(任意)
- 表記(後述の推奨書式を参照)
🧱 種類・サイズ・推奨仕様
角印(社判:書類・領収書用)
- 用途:見積・請求・領収・各種申請の押印(団体確認)
- 推奨サイズ:21mm 角(汎用)/22〜24mmも可
- 推奨表記:
- 行頭〜行末:「芝浦工業大学 tot編集部 之印」
- 之印は任意。可読性重視なら省略もOK
- 推奨書体:篆書体 or 古印体(偽造耐性と見栄えのバランス)
- 印材:柘(コスパ)/黒水牛(耐久)/チタン(高耐久・高価)
丸印(銀行印:銀行届出用)
- 用途:銀行届出印(支店が団体丸印を受ける場合のみ)
多くの銀行は代表者個人の実印/認印を届出印とします。事前に店舗へ確認してから発注!
- 推奨サイズ:16.5〜18.0mm 丸
- 推奨表記:外周「芝浦工業大学 tot編集部」/内側「銀行之印」等(店舗裁量)
- 書体:篆書体 or 古印体
住所印(横ゴム印)
- 用途:郵送物や書類の差出人用
- 例:
✒️ 印面表記の作り方(ガイド)
- 正式名称で統一:「芝浦工業大学 tot編集部」を基本表記に。
- 「之印」の有無:どちらでも可。公文書・証跡性を重視するなら付ける。
- 半角/全角混在:印章は全角統一が見栄え・可読性ともに安定。
- レイアウト(21mm角・篆書体の例):
- 2行構成:上段「芝浦工業大学」、下段「tot編集部之印」
- 3行構成:上段「芝浦工業大学」/中段「tot編集部」/下段「之印」
🖼 版下データ仕様(入稿する場合)
- 推奨:ベクター(AI/SVG)。フォントはアウトライン化。
- 作業サイズ:実寸 21×21mm(塗り足し不要)
- 解像度(ビットマップ入稿時):600dpi以上・モノクロ2階調
- 安全マージン:外枠から内側1.2〜1.5mmは文字を置かない
- 最小線幅:0.2mm以上(カスレ防止)
- 色:印面は単色(彫り)。押印は朱肉を使用
版下不要の店舗でも**校正(プレビュー)**は必ず確認しましょう(旧字/合字のズレ事故が多いポイント)。
🏪 発注フロー(実務)
- 用途と表記・サイズを確定(上の推奨をベースに)
- 店舗に事前確認(電話テンプレは後述)
- 任意団体の団体丸印を届出印として受けるかは銀行へ要確認
- 見積 → 校正確認 → 発注
- 受領・検品(印影の欠け/表記誤り)
- 捺印見本台紙を作成(下のテンプレ)
- 管理台帳に登録(保管場所・持出規程・使用権限)
☎ 店舗への事前確認(電話スクリプト)
「任意団体(大学サークル)の団体印作成について相談です。
角印(社判・21mm)と、必要であれば**団体の丸印(銀行印)**も検討しています。
版下入稿の可否/推奨書体/最小線幅/校正の有無を教えてください。
併せて、銀行届出用として一般的に通る表記・サイズのご経験があれば伺いたいです。」
メモ
- 銀行届出は銀行へ最終確認(印章店は可否を判断できない場合あり)
- 納期と再彫刻ポリシー(誤刻の対応)を確認
🗄 管理ルール(ガバナンス)
- 二名統制:代表+会計で使用承認(書面/Slackワークフロー)
- 持出禁止:基本はキャンパス内/金庫保管。持出は申請制。
- スペア無し:重複管理は事故リスク。紛失時は即日廃止・再作成。
- 印影の電子化禁止:スキャン印影の配布・PDF貼付は原則禁止。
- 引き継ぎ:役員交代時に在庫・台帳・捺印見本を更新。
- 事故対応:紛失・流出時は使用停止通達→再作成→関係先へ通知。
🧾 捺印見本台紙(テンプレ)
| 区分 | 印影 | 名称 | サイズ | 書体 | 用途 | 保管場所 | 管理者 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 社判 | (ここに実印影を1回押す) | 角印(社判) | 21mm角 | 篆書体 | 書類・領収書 | 金庫A | 代表 |
| 銀行 | (ここに実印影を1回押す) | 丸印(銀行印) | 18.0mm | 篆書体 | 銀行届出 | 金庫B | 会計 |
| 住所 | (任意) | 住所印 | 60×15mm | 明朝体 | 差出人 | 文書棚 | 庶務 |
台紙は紙原本を保管。閲覧は役員に限定。
🧩 よくある質問
Q. 「之印」は必要?
A. 任意です。伝統的表記で視認性は上がりますが、運用面の必須要件ではありません。
Q. 銀行届出は団体丸印でいける?
A. 店舗判断です。多くは代表者個人印を届出印に指定します。先に銀行へ確認を。
Q. 角印のサイズは21mmと24mmどちら?
A. 汎用は21mm。公的書面での視認性重視なら24mmも選択肢。
Q. 紛失が心配。複製を作っても良い?
A. 原則不可。紛失時は廃止・再作成がセキュアです。
✅ 発注チェックリスト(短縮)
- 用途と本数を決定(角印/丸印/住所印)
- 表記・書体・サイズを確定
- 版下データ or 文字指示を用意
- 店舗へ確認(校正・納期・再彫刻ポリシー)
- 受領→捺印見本→管理台帳登録
- 使用規程・持出ルールをWikiへ反映