wiki問題(ナレッジ管理ポリシー)
TL;DR
- フロー=Discord / ストック=Wiki を徹底。
- 公開できる知見は Docusaurus、内部限定は Growi/Private。
- 来年3月(更新期)まで並行運用し、指標で最終判断。
- この記事の末尾に決定ログテンプレあり(いつ・誰が・何を決めたか)。
未解決ポイント(2025-09-01時点)
最終方針:Growi継続/Docusaurus一本化/併用 → 未決
判断期限:2026-03-31(更新前に確定)
責任者:Wiki係(@xxx)+運営会議
次回レビュー:2025-10-15(運営会議)
検証KPI(暫定)
- 月間更新件数(公開=Docusaurus/内部=Growi)
- 月間ユニーク貢献者数
- 検索流入(Search Console)/新入生の迷子率アンケート
- ランニングコスト(Growi 年4,400円)の妥当性
今日から徹底する暫定ルール
- フロー=Discord/ストック=Wiki
- 公開可は Docusaurus、機密(名簿・領収書・口座など)は Growi / Private Repo / Drive
- 定例会後に「決定事項と手順」をWikiへ要約(体裁はWiki係が整える)
リンク運用と構成の注意
- リンクはルートパス(
/docs/...)で統一、旧URLはリダイレクト設定 - タグとカテゴリは重複を避け、命名をガイドに沿って統一
- 画像・添付は英数ファイル名+短い説明(例:
interview-checklist-v2.png)
やってはいけないこと
- 領収書画像・台帳CSV・口座番号などの機密を公開Wikiに置く
- DiscordのスクショをそのままWikiに貼る(検索不能・誤解を招く)
- 個人PCやDMだけにしかない一次情報を放置する
対象と公開方針
- 対象:totメンバー(※他大学の学生団体も参考OK)
- 公開:サマリーとルールのみ
(明細・個人情報・原本は非公開リポジトリ/権限付きストレージで管理)
背景と現状
2025年3月、暗黙知を減らす目的で Growi を導入。一方、日常コミュニケーションは Discord が定着。
しかし Growi は更新のハードルと閲覧習慣の弱さから伸び悩み。年4,400円の運用コストもあり、長期の知見蓄積先の一本化を検討する。
そもそも、なぜ Wiki?(目的と効果)
一言で:「知識の“フロー”を“資産”に変えるため」
Discordで流れた会話や個人のメモを、再利用できる形で残し、代替わりしても失われないようにする。
1) 組織的メリット
- 定着・引き継ぎ:人ではなくドキュメントが一次情報になる → 代替わりしても運営が止まらない(バス係数↑)。
- 質問の重複削減:一度まとめればリンクで回答できる → ミーティングやチャットの負担を削減。
- 意思決定の可視化:なぜそう決めたかの経緯(背景・比較・KPI)を残せる → 後戻りや再議論を防止。
- 検索性:タグ・カテゴリで横断検索できる → 断片的なDrive/チャットより到達が速い。
2) 制作チームならではのメリット
- レビューフローと履歴:PR/差分レビューで品質を上げられる(Docusaurus運用)。
- テンプレ再利用:取材依頼、議事進行、経費申請などの完成テンプレを即配布できる。
- 公開による採用・広報:外向けに出せるノウハウはSEOで見つかり、新入生や協力者が自然流入。
3) 「Notion/Google Docs/Discordじゃダメ?」への答え
- Discord:議論の一次情報には最適。でも流れて埋もれる。→ 結論と手順はWikiへ要約転載。
- Google Docs:共同編集は強いが、文書が点在してリンク切れ・バージョン迷子が起きやすい。→ Wikiで“場所”とURLを固定。
- Notion/スプレッドシート:内部管理は良いが、公開・SEO・PR観点が弱い(外向けはDocusaurusが得意)。
4) 成果を測るKPI(効果検証のため)
- Onboarding時間:新入生が「必要情報に到達するまで」の平均時間(目標:短縮)。
- 重複質問率:定例会・Discordで同じ質問が出る回数(目標:減少)。
- ユニーク貢献者数:月あたりのWiki編集者数(目標:増加)。
- 検索流入:公開記事への検索経由の閲覧(目標:増加、外向け広報に寄与)。
5) チェックリスト:Wikiに載せる価値があるか?
- 1か月後の自分(または後輩)が再び参照する可能性が高い
- 手順/基準/決定理由のどれかを含む
- 他の人にURLひとつで渡したい(“この通りにやって”で通じる)
→ ひとつでも当てはまるならWiki行き。当てはまらないならDiscordでOK。
6) アンチパターン(避けたいこと)
- 個人PCやDMにだけある一次情報(= 消える)
- 議事録のスクショ連投(検索不能・転用不可)
- 明確な保存場所のないDrive共有(URLが孤立して迷子)
まとめ:Wikiは「議論の結果と手順」をみんなの資産に変える装置。
日々のフロー(Discord)→ 要約・決定・手順をWikiという流れを儀式化して、定着させる。
ふりかえり:なぜ Growi は伸びなかった?
- 編集のハードル:階層・体裁の設計が必要で「ちょい足し」がしにくい
- 役割不明:Discord で完結しがち → Wiki に転記されない
- 習慣化不足:更新が減る → 見に来ない → さらに更新が減る
学び:役割分離(フロー/ストック) と 儀式化(定例の反映) が鍵。
比較(簡潔版)
| 評価軸 | ① Growi 継続 | ② Docusaurus(このハンドブック) | ③ Discordに集約 |
|---|---|---|---|
| コスト | 年4,400円 | 無料(Vercel等) | 無料 |
| 編集の容易さ | △(階層設計が必要) | △(Git/PRに慣れが必要) | ◎(全員が慣れている) |
| 履歴/レビュー | ○ | ◎(PR/レビュー/差分が強い) | ✕ |
| 検索/SEO | ○(内部) | ◎(外部検索に強い) | △ |
| 公開/ブランディング | △(基本内部) | ◎(公開前提・対外説明に強い) | ✕ |
| 機密管理 | ◎(非公開前提) | △(非公開は別リポ/Driveで) | ✕ |
当面の方針(ドラフト)
- 公開可能なノウハウ・手順・用語集:Docusaurus
- 内部限定(個人情報・台帳・ドラフト):Growi or Private Repo/Drive
- 日々の議論・一次情報:Discord(→ 決定は Wiki へ要約転載)
何をどこに書く?(クイック判定)
- 1か月後も読む? → はい:Wiki / いいえ:Discord
- 外部公開できる? → はい:Docusaurus / いいえ:Growi/Private
- 個人情報/口座/パスワードを含む? → 書かない(→ プライバシーと公開ポリシー)
運用ルール(儀式化)
- 定例会のあと:決定事項と再利用できる知見をWikiへ要約
- Wiki係(1–2名):タグ・構成整理、重複排除、リンク修正
- 月次レビュー:更新件数/ユニーク貢献者数/検索流入(Docusaurus)/迷子率アンケート
- リンクは必ず相対 or ルートパス(例:
/docs/...)。外部URLは 404 チェック。
はじめての貢献(3分)
Docusaurus(公開)
- ページ右上の “Edit this page” → GitHub
- ブラウザで Markdown 修正 → コミット
- 自動で PR → レビュー後に公開
参考:
Growi(内部)
- 既存ページ検索 → なければ作成
- 箇条書きでOK(あとで Wiki係が整える)
- 機密は書かない(リンクのみ/権限管理した保存先へ)
期限と判断基準(KPI)
判断期限:来年3月(更新時)
- 更新量:月の公開記事更新数(Docusaurus) / 内部メモ更新数(Growi)
- 参加度:ユニーク貢献者数(月)
- 利用度:検索流入(Search Console) / 内部アクセス数
- 新入生の迷子率:入部2週間で「必要情報に到達できたか」アンケート
最終判断:KPIが上回る方+コストで決める。必要ならハイブリッド最適を採用。
リスクと回避
- Broken links:PRで
npm run buildをCI必須に(壊れたら落とす) - 機密露出:会計原本・名簿・口座は非公開保管、公開はサマリー画像のみ
- 属人化:Wiki係の交代手順(権限・テンプレ・月次タスク)を文書化
決定ログ(Decision Log)テンプレ
決定日:YYYY-MM-DD
決定者:運営会議(議長:◯◯)
対象:Wikiツール運用
決定:例)公開知見は Docusaurus に一本化。Growi はアーカイブ可視+内部限定に縮小。
根拠:KPI(更新量 + 参加度 + 迷子率の改善)
移行計画:リンク置換・リダイレクト・旧ページのアーカイブ化(担当と期限)
見直し:半年後に効果検証
Open Questions(いま議論中)
- Docusaurus の検索強化(タグ運用/カテゴリ設計の最適解)
- 画像・添付の命名規則(英数字+短い説明)
- リダイレクト運用(過去URLからの迷子を防ぐ)
- 新入生向け**「最初に読むページ」**の最短動線設計
まとめ(今日からやること)
- フロー=Discord / ストック=Wiki を徹底
- 各自、担当分野のページを1つ改善
- 月次レビューでメトリクス確認 → 3月に最終決定
tot の合言葉:「手に取る一冊、広がる興味。」
Wiki はそのための“記憶装置”。あなたの一行が、来年の誰かを助けます。