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「怖がらせない」コミュニケーションとハラスメント防止

大学には、いろいろなバックグラウンドの人が集まります。
IT・数学系の人は**「問題に直球で切り込む」文化に慣れていることがありますが、他分野の人や大学生活に慣れていない人には強く響きすぎる**ことも。
ここでは、サークルに入っていない新入生でも今日から使える、安心して話し合うためのコツをまとめます。

ポイントは3つ：

  1. 意見と人格を分ける　2) 断れる空気をつくる　3) 権力勾配（先輩/後輩・役職）を意識する

1. まず知っておく言葉（1行で）​

  • パワハラ：立場や役割の強さを使って不当に圧をかけること。
  • セクハラ：性的な言動・容姿や恋愛の話題などで相手を不快にさせること。
  • モラハラ：皮肉・無視・嘲笑など、態度や言葉で継続的に心を削ること。

意図に関係なく、相手が萎縮したり不利益が出たらアウトです。

2. 「指摘」は作品へ、「尊重」は人へ​

創作や文章のレビューでは、人ではなく成果物を対象にします。

NG（人格攻撃）

  • 「こんなの作るなんて○○は××だ」
  • 「センスないわ」

OK（作品への指摘）

  • 「スマホ表示だと文字が小さくて読みづらいです」
  • 「写真の色がバラバラなので、トーンをそろえると一体感が出ます」

言い換えのコツ：事実 → 影響 → 提案（SBI＋提案）

  • 事実：「見出しと本文の行間が詰まっています」
  • 影響：「長文が読みづらく感じられます」
  • 提案：「行間1.8→2.0を試しませんか？」

3. 直球文化でも「最初にクッション」​

使えるひと言テンプレ​

  • 「今から5分だけ改善案の話をしてもいい？途中でストップしてOKだよ」
  • 「2点だけ確認させてください。まず…」
  • 「強く聞こえたらごめん。意図は作品を良くするためで、あなたを責めたいわけじゃないよ」

こうしたクッション言葉があるだけで、場の安心度が上がります。

4. 断っていい／境界線を引いていい​

サークルや課外活動は任意参加。
「無理をしない」「断っても不利益を受けない」が基本です。 無理をしないことでサークル内を休みやすい環境にすることができます。 プライベートとサークルのメリハリをつけるは社会に出たときも大いに役立つ能力になります。

断り方テンプレ​

  • 「今回は難しいです。代わりに◯日なら時間を出せます」
  • 「このテーマには慣れていないので、別の役割で関わってもいいですか？」
  • 「通知は夜10時以降はオフにしています。急ぎなら明日でお願いします」

5. 先輩・役職者が気をつけること（権力勾配）​

  • 順番配慮：意見は下級生→上級生の順で回す
  • 強さの調整：発言量・トーンを控えめにして結論を急がない
  • 選択肢を示す：仕事の割り振りは選べるように（断っても不利益なしを明言）
  • 承認を具体的に：「比較画像の準備が助かった！」など行動に対する感謝を言語化

6. オンライン／オフラインの注意​

  • Discord：公開チャンネルで議論 → 結論だけ要約して残す
  • DM：繊細な話は相手の同意を得てから。原則は公開で透明に
  • 夜間：深夜の連投・即レス要求は控える
  • 写真/動画：写ってOKかを事前に確認。未成年は特に配慮

簡易掲示（イベント時）

「撮影を行います。写り込みNGの方はお知らせください」

7. 受け取り方のコツ（フィードバックが怖いとき）​

  • 分解して聞く：「直してください」→「どの箇所を、どう直せば効果的ですか？」
  • 時間をとる：「今日はここまで。一度持ち帰って修正案を考えます」
  • 守ってほしい線を宣言：「人格に触れるコメントは受けません。作品の話に戻しましょう」

8. モヤッとしたら（見かけたら）​

  • その場の修正：「議題から離れてきたので、作品の話に戻しませんか」
  • 休憩を提案：「5分休憩して、指摘は2点に絞って再開しよう」
  • 相談・通報：所属先の代表／学生課や大学の相談窓口へ。匿名フォームがあれば活用

迷ったら安全優先。あなたの感覚は大事です。

9. クイック言い換え表（コピペOK）​

NG（避ける）言い換え（使える）
「センスない」「この配色だとコントラスト比が不足して読みにくいです」
「素人っぽい」「写真のトーンをそろえると一体感が出ます」
「遅い」「締切から逆算して、今日は見出しだけ終わらせましょう」
「やる気ある？」「進めづらいところはどこ？タスクを小さく分けよう」
「常識でしょ」「このツールの初期設定を共有します。手順はここにあります」

10. まとめ：サークルは仲良くなる場でもある​

  • 意見は鋭く、態度はやさしく。
  • 断れる空気をつくるのは上級生の仕事。
  • 得意/苦手はあって当然。デザインも文章も、できなくてOK、学べばOK。

もっと詳しく（内部向け詳細）​

  • 内部の運用ルールや通報フローは、[ハラスメントと対話の指針（詳説）] を参照。
  • 画像・名簿などの取り扱いは **[プライバシーと公開ポリシー] を参照。

改訂履歴​

  • 2025-09-01 初版（新入生・外向けのやさしい版）